どうも、塚田です。
今日は主要通貨の特徴と要点について少し。
トレードをしていく上では、
通貨についてある程度知っておきたいですね。
今回説明するのはメジャーな通貨ペア(USD、EUR、JPY、GBP、CHF)の5つです。
米ドル(USD)
まずは世界最大の経済大国の米国の通貨米ドル(United States Dllar)についてです。
米ドルは現在行われている国際的な貿易や商取引の決済など、
様々な場面で流通している基軸通貨で(キーカレンシーとも言われています)、
世界三大通貨のうちの一つになります。
米ドルは為替取引の90%以上に絡んでいるといわれています。
ですのでマーケットを大きく動かす要因となりますし、
経済指標の中で、米国の経済指標も必然的に重要となってきます。
9.11以降、
そしてサブプライムローン問題以降ドルの信用が低下してきていますが、
米ドルの基軸通貨としての地位はまだ強いです。
そして米ドルは安全通貨の位置づけなので、
テロや戦争などの有事にドルが買われやすくなります。
有事のドル買いというやつですね。
流動性が高く安定しているので、
テクカル分析に向いておりFXでの取引に適している通貨といえるでしょう。
日本の証券会社であれば、
EUR/USD・USD/JPYなどの通貨ペアのスプレッドが狭く設定されています。
市場の関係性の記事でも書きましたが、
米ドルは金相場と逆相関の関係になっています。
この逆相関は、
金が米ドルで評価されていることに起因しています。
チャートを比べればわかりますが、
金と米ドルはほぼ完璧な逆相関になっています。
(金はアンチダラーともいわれています)
それから米ドルは国債価格にも深く関係してきています。
米国債の価格が安くなると、
米国債の信用が高いので国債が買われやすくなる傾向にあります。
そして米国債を買うには、
当然米ドル(USD)が必要になりますので、
国債が買われると共に米ドルが買われる為、米ドルは上昇傾向になります。
米FOMCについて
FOMCとは日本における日銀金融政策決定会合や、
EUにおけるECB政策理事会にあたります。
米国の金融政策を決定する会合のことです。
(基本的に6週間ごとの火曜日に開催しています)
ベージュブックと呼ばれる、
米国の個人消費・製造業・サービス・建設・金融・物価・賃金等についての
全米12地区連銀が各地区の経済活動をまとめた報告書をもとに議論されます。
そこでマネーサプライの調整や金利・為替レートの誘導などの方針が決定され
その開催3週間後に議事録が公表され、FOMC終了後に政策金利が発表されます。
あらかじめマーケットに織り込んでいた場合があまり動きませんが、
サプライズの結果となった場合は大きく動きます。
その後の方向性を決める上で政策金利は
重要となってくるので注目したいところですね。
FRBについて
FRB(連邦準備制度理事会)とは、
米国の金融政策当局のことです。
FRBは日本の中央銀行やEUの欧州中央銀行と同じ機能を持っています。
FOMC(連邦公開市場委員会)を通じて金融政策の策定を行っていきます。
FRBは14年任期の7名の理事によって構成されていて、
理事の中から議長・副議長(任期4年)が、
大統領によって任命されます。
世界経済に対する影響力は絶大であるため、
FRB議長はアメリカ合衆国において大統領に次ぐ権力者と考えられています。
FRBは他の多くの中央銀行とは異なり、
「価格の安定性と持続可能な経済成長」という長期的な目標をもっています。
ユーロ(EUR)
欧州連合の通貨、ユーロ(Euro)についてです。
EU(欧州連合)は現在27カ国で構成されています。
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ、ドイツ、
デンマーク、スペイン、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、
アイルランド、イタリア、リトアニア、ラトビア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、
ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、
イギリスの27国で構成されています。
現在、デンマーク、スウェーデン、
イギリスなどを除く13カ国がユーロを共有しています。
通貨を共有する13カ国はEMUを結成し(欧州通貨同盟)を結成し、
ECBが策定する単一の金融政策を共有しています。
ユーロは米ドルに次ぐ基軸通貨としてその取引量が増えています。
ユーロの特徴はその高い流動性です、
なかでもユーロドルは世界で一番取引されている通貨ペアです。
その他のユーロクロスも高い流動性があります。
ユーロもアンチダラーといわれ、
ドルと深く関わっています。
ドルが買われるとユーロが売られ、
ドルが売られるとユーロが買われやすい傾向にあります。
またユーロは他の通貨と比べまだ新しい通貨である為、
潜在的なリスクを抱えています。
その為ユーロはリスク通貨に属し、
市場がリスクオンの動きになると買われやすくなります。
流動性・ボラティリティ共に高いので、
世界中の投機家に人気があります。
ECBについて
ECB(欧州中央銀行)は、
EMU(欧州通貨同盟)に参加している国の
金融政策決定に関する責任を有する管理機関です。
EMUの役員会は、ECB総裁、ECB副総裁、
その他の4人の理事の計6人で構成されています。
ECB理事会について
毎月2回、隔週で木曜日にドイツでECB(欧州中央銀行)理事会が開催されています。
毎月1回目の理事会の後には、
政策金利の発表とECB総裁の記者会見が開かれ、
このときの政策金利やECB総裁の発言内容によってはユーロ相場が大きく動くことがあります。
日本円(JPY)
皆さんご存知日本の通貨、円(Jpanease Yen)です。
世界三大通貨のうちの最後の一つです。
アジアの中でメジャー通貨といわれるものは、
今のところ円しか存在しません。
日本はアジア各国と大きな額の貿易を行っているため、
アジア諸国の経済的な問題が、円にも影響を与えてきます。
円は超低金利通貨です。
そのため低金利の円を調達して、
高金利通貨を買いその利鞘を稼ぐ「キャリートレード」が行われます。
USDやCHFも低金利通貨として売られやすいですが、
キャリートレードでは一番円が売られやすいです。
それから日本の証券会社では、
クロス円のスプレッドは狭くなる傾向にあり、
日本人に好まれて取引されています。
キャリートレードとして円が売られやすい面があるものの
キャリートレードのムードがなくなり、
市場がリスク回避の動きになってくると、
今度は逆に円が買われやすくなります。
最近も世界的な株安などが影響して急激な円高になりましたね。
円の値動きの特徴としては、
円安になるには時間をかけて徐々に進んでいき、
円高になるときに急激に進行する傾向が強いです。
それから円の特徴として米ドルなどとは違い
自国の経済指標(日本)ではほとんど動くことがありません。
為替介入について
為替介入とは、一般的に通貨当局が為替市場において、
為替相場に影響を与えることを目的に外国為替の売買を行なうことを言います。
「外国為替平衡操作」ともいいます。
日本では、財務大臣が円相場の安定を実現するために用いる手段として位置付けられており、
為替介入は財務大臣の権限において実施されます。
急激な為替レートの変動は、
企業の経営等に悪影響を与え、
ひいては日本経済そのものに悪影響を与える可能性があります。
そこで、為替相場が乱高下しないように、
急激なドル安円高の場合は円売りドル買い介入、
急激な円安の場合は円買いドル売り介入を行ない相場変動を小さくしようと試みます。
介入にも単独介入・協調介入・委託介入・逆委託介入と種類がさまざまですが、
行われると為替レートは短時間のうちに大きく変動します。
ちなみに、
介入が最も行われやすいといわれている時間は、
10:00または15:00あたりです。
実際はいつおこるかわかりませんので参考程度にして下さい。
英ポンド(GBP)
イギリスの通貨ポンド(Great Britain Pound)です。
(英ポンド)・(スターリング)・(ケーブル)と異なった呼び方がポンドにはありますが、
いずれも同じ意味です。
イギリスは世界6位のGDPを誇る経済大国で、
首都のロンドンはニューヨークと並ぶ世界最大の金融街です。
イギリスの経済は比較的良好的なため、
ユーロを採用していませんが、
この先ユーロ採用の可能性がトレーダーの頭の中にあり続けるでしょう。
ユーロに参加しないのはかつて基軸通貨だったプライドもあるようです。
イギリスのユーロ採用は賛否両論がありますが、
もしEMUに参加したとなれば、
英国経済は大きな影響を受けることになります。
ポンドの特徴はその流動性とボラティリティです。
ポンドドルはドル円に次ぐ世界第三位のシェアがあります。
またポンドには投機筋が多く
キャリートレードのポジションが解消されるとボラティリティが高まる傾向にあります。
ボラティリティが高いので短期トレーダーによく好まれますが、
ポンドペアは値動きが荒く上級者向けの通貨ペアといわれていますね。
GBP/USD・EUR/GBP・GBP/CHF・GBP/JPYあたりが取引量が多い通貨ペアになります。
BOEについて
BOE(イングランド銀行)はイギリスの中央銀行です。
MPC(金融政策委員会)の会合で政策金利を含めた金融政策が決定されます。
MPCは原則月一回の定例会合を毎月上旬の水・木の2日間開催され、
会合の後の議事録は2週間後の水曜日に発表されます。
スイスフラン(CHF)
スイスの通貨スイスフラン(Swiss Franc)です。
スイスは永世中立国として有名で、
国の政治的中立により、フランは安全な通貨としての地位を確立しています。
経済規模は小さいものの一人あたりのGBPが高く、
世界で最も豊かな国の一つです。
スイスの金融業界は機密保持で知られており、
セイフヘイブン(資金の安全な逃避場所)として世界から資金が集まります。
スイスフランのセイフヘイブンとしてのステータスは高く、
信頼が高いため、市場がリスク回避の動きになるとフランは買われやすくなります。
信頼が高いので長期保有に向いており、
円と同じく低金利通貨の為キャリートレードでも人気が集まります。
AUD/CHFやGBP/CHFといった高金利通貨とのクロス通貨が好まれます。
値動きの特徴としては対ドルでみた場合、
ユーロと同じような動きをしています。
EUR/USDとUSD/CHFのチャートをみればわかると思います。
USD/CHFは流動性が高くボラティリティが高いのでトレーダーに好まれています。
SNBについて
SNB(スイス国立銀行)はスイスの中央銀行です。
完全独立の中央銀行であり、
金融政策の策定に責任を有する、
総裁、副総裁、そしてSNB理事会に属する1人の計3人からなる委員会が存在します。
委員会は少なくとも四半期に一度は金融政策を発表します。
他の中央銀行と異なり金利目標を設定することはありませんが、
その代わりに、3ヶ月スイスLIBOR(ロンドン銀行間貸し手金利)レートの目標レンジを設定しています。
まあ、こんなところでしょうか。
参考にして下さいね。