こんにちは、塚田です。
今は世界的にリスクオフの背景で、各国の要人発言や、金融政策の変更が多発しており、高いボラティリティの相場が続いています。
今週の相場を、イベントを交えて簡単に振り返りたいと思います。
3/15日にFRBは、緊急利下げを発表し、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債権買い入れを再開すると発表しました。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を100ベーシスポイント(bp)引き下げ、0─0.25%としたほか、今後数週間でバランスシートを少なくとも7000億ドル拡大すると表明。
通常、金利が下がればドル売りの材料になりますが、すでに次のFOMCで予想されていた内容だったので緊急利下げに対するインパクトはそこまでありませんでした。
今は、新型コロナウイルスの影響で、投資家マインドが恐怖に支配されています。
一刻も早いパンデミックの終息を願うばかりですが、この状況だと「皆が現金を手元に置きたい」と考え「米ドルが必要」という動きになります。
リーマンショックの際は、世界的な金融危機でドルが不足しましたが、今回は、企業間の取引でドル不足が生じているようで、ドル高となっていきました。
米10年債利回りも上昇し、企業間の資金繰りでドルが不足している状態が続く限りは、ドルロングに優位性があるかと思います。
この状況で対ドルで何を売るかというと、金利の下げ余地は各国下げまくりでフラットなので、リスクオフ環境でユーロかポンドが望ましい状況でした。
円はレパトリもあるし、リスクオフの円買い圧力もあるので、なかなか売られず、結果ドル円はしばらく膠着。
ということで、週前半はドルロングでユーロドルのショートを選択し無事に全利確。ドルストレートが全面下げトレンドに。
週後半は、世界的なドル不足で、さらにドル高が進行。
AUD/USDは原油相場の暴落で対ドルで売られ、歴史的な下げを記録しました。
ドルが最強なので、結果論ではありますが、ドルをロングしておけば良い相場でした。
米株式・債券市場、原油市場、金市場の下落を受けて、12兆ドル規模のマージン・コール(追証)が発生していると言われており、ドルの流動性確保の動き、世界的なドル需要が高まっています。
米連邦準備理事会(FRB)は17日、新型コロナウイルス危機によるクレジット市場の緊張緩和に向け、2008年の金融危機時に導入したコマーシャルペーパー・ファンディング・ファシリティー(CPFF)を再び導入すると発表。(ロイター)
リーマンショックの時と同じように、米国はドルを刷りまくって、経済の活性化をするのでしょう。やはり、基軸通貨を抱える国は強いですね。
ドル円のレートは、2/21からの強烈な下げを前戻ししつつある形で、週を終えています。
個人的には、ドル不足が解消されたら、ドル円は再び、下を掘っていく形になると考えていますが、流れが変わるまではドル買いスタンスが有利かなと考えています。
ドル円:週足チャート
しかし、今は週足レベルの高値、レジスタンスゾーンに位置しています。(青いゾーン)
一旦、ロングの利確が入ってくる水準でもあるので、短期的にカウンタートレードで売りも狙えるかもしれません。
下から買っている買い方の立番になって考えてみると、「これだけロングの値幅をとれたのなら、高値付近で少し利食いたい」と思うのが心理的にあるのではないでしょうか。
その心理が働けば、一旦価格は止まります。逆にここを突破してくると、ストップが集中するゾーンになるので、一気に抜ける可能性も高くなります。
週明けにどんな動きになるのか注目したいところです。