こんにちは、塚田です。
世の中の「押し目買いの手法」として公開されているものが、間違いだらけの情報で僕はウンザリしています。
そこで、10年以上のトレード経験で得た、「FXの押し目買いの真実」をお伝えしていきます。
いくらググっても正しい情報が出てこないので、ここに全て書きました。
この記事を読むことで、押し目買いについて正しい理解を持ち、押し目買いのタイミングと判断基準について理解できるでしょう。
目次
押し目買い、戻り売りの基本(押し目買いとはなにか?)
では、まずは基本を、おさらいしておきます。
「押し目買い」とは、上昇トレンドの中の一時的な下落(調整)を待ち、トレンドの再開を狙って買うこと。
そして、反対に「戻り売り」とは、下落の中の一時的な上昇(調整)を待ちトレンドの再開を狙って売ることです。
この調整の波を、リトレースメント(Retracement)と呼んだり、上昇トレンド中の下落であれば「押し」と呼び、下落トレンド中の一時的な上昇であれば「戻り」と呼びます。
一般的に押し目買いのポイントは「よいトレードチャンス」だと広く知られています。
しかし、あなたは「押し目買いが上手くいかない」という悩みを持ち、このページを見ているのではありませんか?
なぜ、押し目買いが上手くいかないのでしょうか?
①押し目買いは「最高のトレードチャンス」という誤解
押し目買いは「良いトレード手法なのに、上手くいかない」という悩みを多くの方が抱えています。
そこで初めに「押し目買いの誤解」をいくつか解消しておきたいと思います。
1つ目は「押し目買いは最高のトレードチャンスである」という誤解です。
世の中の情報では「押し目買いは最強」「押し目買いは鉄板トレード」と、やや祭りあげられている風潮を感じます。
確かに押し目買いのタイミングは、よいトレードタイミングであることは否定できません。
しかし、同時に「押し目買いのチャンスは非常に少ない」ことも知っておいて欲しいのです。
押し目買いのチャンスは少なく、頻繁に狙っても上手くいくものではありません。
その理由は、マーケットの値動きの70%~80%程度は、トレンド相場ではないからです。
例えば、このような一本調子で上昇していくトレンド相場は、全体で考えれば、20%~30%の割合しかありません。
残りの70%~80%の相場はレンジ(揉み合い)で構成されています。
つまり、押し目買いは良いトレードのタイミングではありますが「発生頻度がかなり少ない」のです。
相場の構造的に、20%~30%しかトレンドが出ている状況はありません。
ですから、「トレンドが出た!」と飛びついて売買をしても、殆どがダマシで終わります。
ランダムな相場で消耗しているだけで、結局「押し目買いは勝てない」という結論になってしまいことが多いのです。
②押し目買いの完璧なタイミングを当てられると考えている
そして、多くのトレーダーは「押し目買いのタイミングを当てられる」と考えていることです。
押し目買いのタイミングを図ろうとすると、移動平均線(MA)を使ってタイミングをとったり、
フィボナッチリトレースメントなどのツールを使ったり、様々な方法を使って、押し目買いのタイミングを判断しようとします。
しかし、どんな手法を使おうが、完璧にトレンドが継続するタイミングを予測することはできません。
これは、重要なポイントなので覚えておきましょう。
その理由は、マーケットの状況は常に変わり続け、参加する市場参加者の思惑も変化しているからです。
市場のファンダメンタルズも常に変化していれば、毎回参加する人の思考が変わる以上、同じ相場は2度とありません。
完璧な押し目のタイミングを、FXで当てることは絶対にできないのです。
この部分を理解せずに、押し目買いで利益を出そうと思っても、FXで勝てない沼にハマり続けます。
多くのトレーダーは、テクニカル分析や、オシレーターで押し目買いのタイミングを完璧に予想することに労力を使っています。
しかし、実際のところ、トレンドがどのタイミングで再開するか、完璧に予想することはできないのです。
※「目安」を見つけることはできます。
押し目買いが機能する理由(トレンドが継続する局面)
では、次は、「押し目買いが機能する仕組み」について考えていきましょう。
どのような流れで押し目買いが入り、市場のトレンドが継続していくのでしょうか?
例として、上昇トレンドを例にあげます。
はじめに、トレンドの初動となる第1波(一番最初の値動き)が発生し、市場に参加している人の興味をひきつけます。
上昇の波である第1波の発生に対して、カウンタートレード勢(逆張りをする人)が、売り(short)をしかけることで、一旦価格は下落する要因になります。
カウンタートレード勢の大半は、値頃感で売りポジションをもった個人投資家になります。
加えて、大口トレーダーは上昇により利益が出たlongポジション(買い)を縮小(反対売買のshort)することでも、一旦価格が下落する要因となります。
※価格が下るのは、他の人よりも安くても売りたいという「売り意欲」が強まっているからです。
この下落が、リトレースメント、つまり調整の下落です。
一旦価格は下落(調整・リトレースメント)しますが、大口トレーダーがlongのコアポジション(買いポジション)を決済しない限りトレンドは継続します。
なぜなら、相場の値動きは、大口トレーダーである機関投資家などによって作られているからです。
上昇局面で買っている大口トレーダーの大半がポジションを全て決済すれば、上昇トレンドが終了になります。
相場の値動きを支配している大口トレーダーがlong(買いポジション)を手放せば、買う理由が無くなります。つまり「買い意欲が低下」し、価格が下がり、相場は天井をつけます。
「トレンド・イズ・フレンド(トレンドは友達)」という相場格言があるように、大口トレーダーのポジションには逆らってはいけないのです。
※下落トレンドの場合はこの例の逆です
ネットの手法が使えない!なんで?
なぜ、インターネット上の情報や、FXの書籍などで押し目買いの手法を覚えても勝てないのでしょうか?
その理由は、「誰もが、良いエントリーポイントだと思っているポイントは、悪いエントリーポイントだから」です。
このあたりは、別の記事でも詳しく書いていますので参考にしてください。
初心者のあるあるトレードをあげてみましょう。
①トレンドラインで押し目買い
安値と安値を結んで、ラインまで落ちてきたら買い。というの押し目買いのタイミングです。
②フィボナッチで押し目買い
トレンドの波に対して、フィボナッチリトレースメントを引き、61.8まで戻したら買い。50.0まで戻したら買い。という押し目買いのタイミング。
③移動平均線の押し目買い
移動平均線がゴールデンクロスしたら買い。移動平均線まで落ちてきたら買い。
という押し目買いのタイミング。
④ボリンジャーバンドがエクスパンション(開いたら)したら押し目買い
もみ合い状態のスクイーズから、ボリンジャーバンドの口が開き、価格が調整したら買い。
というボリンジャーバンドを使った押し目買いのタイミング。
ここで、バッサリ否定しておきたいのですが、こんなことを単純にやっていてもFXでは絶対に勝てません。
「ボリンジャーバンドの正しい使い方」などを、You Tubeで覚えたところで、利益は出せません。
また、「フィボナッチの正しい引き方」など、本を読んで覚えたところで、利益は出せません。
その理由は、プロのトレーダー(大口投資家や機関投資家)は、全く別のロジック(理論)で、タイミングをとっているからです。
間違った知識を覚え、必死で押し目買いを成功させようと努力している初心者が大勢いることを考えると、大変悲しい思いになります。
どうか、ご自身の売買についてよく考えてもらえればと思います。
上で挙げたような単純な思考で売買をしても、相場のランダムな動きに飲まれ、プロに狙いうちをされて終わりです。
世の中に溢れている情報を信じて売買したとしても利益を出せないのは、どのようにマーケットが動いているか分かっていない人が情報を発信しているからです。
一つ補足をしておくと、フィボナッチや、移動平均線、オシレーターを使った押し目買いが、全く役に立たないということを言っている訳ではありません。
「特定の状況下」においては、これらの方法で押し目買いを成功させることができるからです。(一定の目安にはなるという意味です)
その理由はこれから詳しくご説明していきます。
継続するトレンドを見極めること
「価格が動いたら、とりあえず乗っていく」というスタイルでは、押し目買いを成功させることはできません。
それは、トレンドの発生に見えても、殆どの場合が、単なるフェイク(だまし)であるからです。
押し目買いを成功させるには、そもそも「トレンドが継続する理由があるかどうか」知ることです。
すみませんが、ここから少しだけ難しい話をさせてください。
具体的には、ファンダメンタルズや他のマーケットの動き、通貨強弱など様々な要素を考え、発生した値動きが真のトレンドであるかどうか考えます。
要は根拠を探して、「裏」を取る作業が必要になります。
FXの市場と言っても、為替だけを指しますが、当然のことながら、世界のマーケットは為替だけではなく、債権、株、コモディティなど全てがつながっています。
ある市場から流れた資金が、他の市場に流れるということを繰り返し、マーケットは値動きを形成しているのです。
世界のマーケットが繋がっている以上、FXの市場だけ見ていても視野が狭く、市場の因果関係を把握することができません。
価格が動く理由には、原因と結果があります。それが市場の因果関係です。
例えば、簡単な例で言えば、コロナウイルスの蔓延でドル高になった局面が分かりやすいでしょう。
コロナウイルスの影響で、米国の株価が下がり、企業にドル資金が必要になっていた局面です。
こういった局面では、マーケットに強い「ドル買い」の意欲が流れ込みます。
強い「ドル買いの意欲」がマーケットに流れ込めば、当然ドル円は上昇し、ユーロドルや、ポンドドルなどのドルストレート通貨は下落するからです。(USD↑)
このような根拠があって、買われている場合には、押し目買いは成功しやすくなります。(あくまで一例です)
押し目買いのタイミングを見極める方法
ここまででおわかりいただけと思いますが、一番重要なのは、「トレンドが継続する波であるのかどうか?」を見極めることです。
少々乱暴ですが、それさえ分かれば、どこで押し目買いをしても利益になるからです。
多少タイミングが早かろうが、遅かろうが利益になります。
多くの人は、押し目買いの正確なタイミングを知りたがりますが、タイミングは、それほど重要ではないのです。
トレンドが継続さえすれば、仮に、浅い押し目であろうが、深い押し目であろうが、再度高値を更新していくのであれば、どのタイミングで買っても利益になるからです。
プロのトレーダーは「良い値段」で買うことに固執しません。
プロは「上がるから買う。なんなら自分が買って価格を上げてやる!」というふうに考えているのです。
ですから、完璧なタイミングを探すよりも、「現在は、真のトレンドが発生している状況なのか?」を見極めることが大切になります。
「ランダム性が低下している状況」と僕は呼んでいます。
これは、通貨ペアのチャートを単体で分析しただけでは、分からないこともあるのです。
ポジションを分割して押し目買いを成功させる
完璧な押し目買いのタイミングがわからない以上、考えられる一つのアンサーは「分割してポジションを持つ」ことです。
例えば、10万通貨の枚数で取引をするのであれば、このポジションをいくつかのユニットに分けます。
2万通貨づつ分けて、5つのポジションにしても良いですし、
最初のポジションをコアポジションとして、5万通貨持ち、残りのポジションを1万通貨づつ、散らしてポジションを持っても構いません。
ポジションを分割すれば、平均価格でポジションを持つことができますし、完璧なタイミングでポジションを持つというストレスの軽減にもなるからです。
97%が知らない押し目買いの真実とは?
ここまでお読みいただければ「押し目買いの真実」として、お伝えしたいことはお分かりいただけたでしょう。
どの手法で、押し目買いのタイミングを判断しようが、そもそも継続するトレンドか見極められなければ、結果は大体同じということです。
・MA(移動平均線)で押し目買いしても・・・!
浅い押し目であれば、10MA~20MAあたりで、トレンドが再開していきますし、中位の押し目であれば、50MA~75MAあたりで再開し、深い押し目であれば、100MA~200MAで再開します。
・フィボナッチで押し目買いをしても・・・!
また、フィボナッチリトレースメントも同じです。
0.618レベルで、トレンドが再開することもありますし、50%戻し(半値)でトレンドが再開することもあります。
いずれも、「目安」としてタイミングをはかることができる程度ですから、どの方法で押し目を拾っても大差は無いのです。
0.382が機能しやすいとか、0.618が機能しやすいとか、そういった意味のない研究をしないようにしましょう。
「いやいや、後からツール当てれば、大体機能しているように見えるでしょ?」と僕は思っています。
まとめ
お伝えしたかったのは、押し目買いについての誤解を解き、真実を知ってもらうことです。
トレードが上手くいかない場合に「手法が悪いから新しい手法を探そう」と考えていても、いつまで経っても上達できません。
いつでも大切なのは「理由」と「根拠」を探すことです。
youtubeでFXの動画を見ると「こんなんで勝てる訳ないのに」と、見ていると吐き気がしてくる動画しかありません。
もちろん、この情報も鵜呑みにするのではなく、疑い、ご自身で意味を考え、売買に活かすかどうか考えていただけるとよいかと思います。
お役に立てれば幸いです。