こんにちは、塚田です。
今回は、指標前の対応や、重要イベント前の立ち回りについて完全解説していきます。
目次
重要経済指標と重要イベントとは?
為替レートや株価に関連するイベントや行事は多数あり、どのイベントを気にすれば良いのか?
実際にどのように立ち回りをすれば良いのかと、迷うことも多いと思います。
イベント前後の立ち回りを覚えて、トレードのパフォーマンスを向上させてください。
初めに、マーケットに関連する、具体的なイベントを列挙しておきます。
・ジャクソンホール会議などの経済シンポジウム
・年末、大型連休、クリスマス
・重要経済指標発表
・大統領選
・中央銀行総裁の人事
・米財務長官の人事
上記イベントは、イベント前から価格へ織込み始め(価格に反映)、マーケットへ影響を及ぼす可能性が高いイベントとなり注意が必要です。
全イベント共通のアクション
全てのイベントに共通するのは、「確実に結果を予想できることは、ほとんど無い」ということです。
「AとBのシナリオが存在して、Aのシナリオが実現する可能性の方がかなり高い」という状況も希にあります。
しかし、基本的にはイベントの結果は予想が難しく、ランダム要素が高まる要因となります。
なので、相場の変動が予想されるイベントが直前に控えている場合は、基本的に「ポジションサイズの調整(増減)」を行います。
具体的には「利益が出ていないポジションは長く保有せず、利益が出ている場合はポジションを残して利益を伸ばす」ことを考えます。
なので、イベントの前には、ポジションサイズを増減させて、リスクをコントロールしていきます。具体的には、ポジションの半分や、3分の2など、ポジションを部分的に決済して調整を行います。
これらのポジション調整は、イベントの重要度に合わせて行います。
例えば、FOMCなどの注目されるイベントや、米大統領選の結果待ちなど、最大級の注目が集まるイベントでは、よりシビアに管理します。
急激な変動が予想されるイベントであるほど、リスクを限定するポジションコントロールを厳格に行いましょう。
金融政策発表での立ち回り
次にイベント毎の立ち回りについて細かくみていきましょう。
金融政策イベントは、全ての国で重要ですが、中でも米国の「FOMC」前後は、全通貨ペア共通でポジション調整を行います。
最も変動幅大きくなり、全ての通貨に影響を与えるFOMCはとりわけ重要なイベントです。
金融政策発表前の対応
具体的には、政策金利の発表前には、全ての銘柄でポジションを減少させる対応を行います。
FOMCと同様に、他の中央銀行の政策金利発表も同様に、注視する必要があります。
例えば、豪ドル(AUD)をトレードしている場合は、RBA(オーストラリア中央銀行)の政策金利発表前にはポジション調整を行います。
または、ポンド(GBP)をトレードしている場合は、BOE(英国中央銀行)の政策金利発表前などにはポジションの調整を行います。
利益が出ている場合はそのまま持ち越すこともありますが、損失が出ている場合に多くのポジションを持ち越すことはありません。
全てに共通して言えるのは、決して「お祈りトレード」をしないことです。
損失を確定することを嫌って、利益が出ていないポジションを持ち越して、結果発表に賭けるのはやめましょう。
金融政策発表後の対応
金融政策発表後の立ち回りですが、これは、金融政策の発表と、総裁の発言、中央銀行のガイダンス内容を確認してポジションをとります。
金融政策発表の結果が事前予想通りの結果であれば、材料出尽くしと考え、その後の反応をみて再度ポジションを取り直します。
逆に結果がサプライズとなった場合は、今後の織込み余地を考慮してポジションを取るか考えます。
いずれにしても、金融政策発表後は流れ変わることがありますので、一旦仕切り直して、金利動向などを確認して、再度分析をしてポジションを取り直す形になります。
ポジションコントロールを行う重要経済指標
次は、重要経済指標発表での対応についてです。
ポジション調整を行うべき、2大重要経済指標は「米雇用統計(NFP)」&「米消費者物価指数(CPI)」の二つです。
重要経済指標は数多くありますが、この二つは確実にウォッチしておかなければなりません。
米雇用統計(NFP)
米雇用統計とは、アメリカの雇用の情勢(失業している人数や就業している人数など)を調査した統計で、最も重要な経済指標の一つです。
中でも、「失業率」と「非農業者部門雇用者数」に注目が集まります。
一般的に、雇用統計の数字の良し悪しは、米国の経済状況を反映していると捉えられます。
雇用統計の結果が良好であれば、景気が良いと捉えられ、政策金利を引き上げる材料となることがあります。そうなれば、ドル(USD)の金利が上昇し、ドル高に繋がる傾向があります。
反対に、雇用時計の結果が悪ければ、景気が悪化していると捉えられ、政策金利を引き下げる見通しが高まることがあります。
政策金利を引き下げる見通しとなれば、米金利は低下し、ドル安に繋がる傾向があります。
米消費者物価指数(CPI)
米消費者物価指数(CPI)は、米国内の、物価を現す経済指数で、米労働省が毎月中旬に発表しています。
物価の動きを把握するための指標で、インフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されています。
物価指標の中から、変動の激しいエネルギー関連や食料品を取り除いたものを「消費者物価指数コア」と呼ばれています。
CPIの結果も、米国の雇用統計と同様に、FRBの金融政策を決定する重要な指標となります。
なので、CPIの結果が高い数値となれば、インフレを抑制する為に、政策金利を引き上げる思惑が高まります。
そうなれば、米金利上昇、ドル(USD)高になりやすい傾向があります。
これらの指標は、最も重要度が高い指標となります。
上記二つよりは注目度が下がりますが、マーケットへの影響度が高いのが、以下の指標になります。
若干インパクトは下がるが影響度が高い指標
米国GDP
確報値など様々な数値がありますが、最も影響度が高いのは「速報値」です。
個人的には、速報値以外の数値は殆ど気にしていません。
積極的なポジション調整は行いませんが、他の重要イベントと重なる場合にはポジション調整を行います。
米ISM製造業景況感指数
ISM製造業景況感指数は、米国の製造業の景況感を示す指標の一つです。
米CPIや米雇用統計には劣りますが、市場に材料が無い場合は、ISMにも注目が集まることがあります。
雇用統計より発表されるのが早いため、雇用統計の先行指標としても注目を集めます。
また、50%が景気拡大、後退の分岐点とされ、50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると、景気後退の目安として参考にされることがあります。
積極的なポジション調整は行いませんが、他の重要イベントと重なる場合にはポジション調整を行います。
米新規失業保険申請件数
米新規失業保険申請件数は、失業保険給付を初めて申請した件数を集計し季節調整を加えて発表したもの。
毎週公表されますが、米雇用統計の基準日である12日を含む週が他の週よりも注目度が高くなります。
その他主要国の消費者物価指数と雇用関連の指標
米国のCPIや雇用統計には劣りますが、主要国のCPIや、雇用関連の指標もマーケットに影響するので注意が必要です。
例えば、豪ドル(AUD)をトレードしているのであれば、オーストラリアの消費者物価指数や、失業率などの発表時にはポジション調整を行った方がリスクを限定できることになります。
あまり動かないことも多いのですが、希にサプライズな数値が出るとびっくりするほど動くこともあるので、注意が必要です。
休日対応
年末年始などの大型連休、クリスマスなど、欧米圏で重要視されるイベント時には、マーケットの流動性が低下することになります。
日本の祝日(GWなど)は日本市場は休場になるので、影響はありますが、世界的な休日に比べると影響度は小さいです。
流動性が低下することによって、スプレッドが拡大したり、値動きが荒くなる傾向が高まりますので注意しましょう。
米国の休日は実質的にマーケットが「オフの日」だと考えても差し支えありません。
目立った休日前には、同様にポジション調整を行います。
その他イベントでの対応
頻度は少ないですが、米大統領選前、ジャクソンホール会議などの経済シンポジウム、中銀総裁の人事なども重要なイベントとなります。
頻度は少ないですが、4年に一度開催される米大統領選は、最も相場が乱高下するイベントであると言えます。
経済指標や、金融政策と同様に、リスクの調整を行います。
まとめ
すべてに共通するのは、利益が出ているポジションはできるだけ長く持ち、利益が出ていないポジションは早めに見切りをつけることです。
重要指標発表前の対応、イベント前の対応として、参考にしてください。