スワップポイントとは?|運用時の注意点とおすすめ通貨ペア3選を紹介

FXを運用する人の中にはスワップポイント狙いで長期投資を狙う人も多数存在します。

スワップポイント狙いで長期投資をすれば、日本円で銀行へ預けておくこととは比較にならないほどの高金利の利息(スワップポイント)を受け取れる場合もあるので、FXの運用方法の1つとしてスワップポイントについて理解しておいた方がよいでしょう。

しかし、「どの通貨ペアがスワップポイント狙いに適しているのか」が分からない人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事ではスワップポイントの概要の説明と、スワップポイント狙いで運用するためのおすすめ通貨ペアの紹介します

FX初心者の方「短期投資ではなく長期投資をしてみたい」という方にもスワップポイントの知識は欠かせませんので、ぜひ最後までご覧ください。

スワップポイントとは?

通貨ペアに金利差があるので、その金利差分がスワップポイントとして利息のような形で投資家入金する場合もあり、金利差がマイナスの場合には毎日コストがかかるケースもあります。

まずはスワップポイントの概要についてしっかりと理解していきましょう。

通貨ペアの金利差のこと

スワップポイントとは通貨ペアにおける金利差を指します

例えば、日本円の金利が-0.1%、トルコリラの金利が12%の場合、日本円を売ってトルコリラを購入すればその差額である12.1%が金利差となるので、金利差分を利益として受け取ます。

FXでは通貨ペアの価格差によって利益を狙うのが基本ですが、スワップポイント利益を得ることもできます。

業者によってスワップポイントは異なる

スワップポイントは業者によって異なります。

そのため、スワップポイントを狙って取引する場合には業者を比較して高いスワップポイントを提示しているFX業者を選びましょう。

原則的に毎日受け取れる

スワップポイントは原則毎日受け取れます

ポジションを翌日まで持ち越すオーバーナイトした瞬間に受け取れためスキャルピングやデイトレードのように、その日のうちにポジションを決済した場合には受け取れません。

またスワップポイントが付与される金額は日によって異なるので、詳しくはFX業者へ確認しましょう

スワップポイント運用の3つの注意点

スワップポイント運用を行う際には、以下の3つの点に注意して運用を行いましょう

  • 通貨ペアによってはマイナスのスワップポイントになる
  • 高金利の通貨ペアは変動が激しい
  • スワップポイントで得た利益は課税対象になる

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

通貨ペアによってはマイナスのスワップポイントになる

保有する通貨ペアによってはスワップポイントがマイナスになるケースがあります。

例えば、金利11%のトルコリラを売って、金利-1%の日本円を買う場合には、マイナス12%のマイナススワップになってしまいま

マイナススワップの場合には、毎日金利差の支払いが生じて損失になってしまいます。

長期間保有するほど、損失は拡大していくので十分注意しましょう。

高金利の通貨ペアは変動が激しい

スワップポイントを狙って投資をする人は、高金利の通貨ペアを狙う傾向があります。

しかし、高金利の通貨ペアほど変動が激しい点にきをつけて取引しなければなりません。

一般的に高金利通貨は新興国通貨であるケースがほとんどです。

そして新興国は経済や政治の体制が先進国と比較して脆弱で、政情不安や経済不安が起こりやすい傾向があります。

大きな変動が起こるリスクは先進国と比較して高いので、スワップポイントが高い分通貨そのものの価格変動リスクには十分注意して投資を行う必要があります。

スワップポイントで得た利益は課税対象になる

スワップポイントで得た利益は、価格差によって得た利益と同様に課税対象です

FXで得た利益は確定申告によって申告を行って納税しなければなりませんが、スワップポイントも「雑所得」として確定申告の対象になります

なお、スワップポイントがいつ所得として認識されるのかは個人口座に入金されるのか、法人口座へ入金されるのかによって以下のように異なります。

  • 個人口座:スワップ受取時点
  • 法人口座:スワップ付与時点

個人口座の場合には、通貨ペアを決済して、スワップポイントを受けった時点で所得になるので、決済の有無に関わらず、スワップが付与された時点で所得になる法人口座とは所得を認識するタイミングが大きく異なる点を理解しておきましょう。

スワップポイント運用に適した高金利通貨ペア3選

スワップポイントを狙って運用する場合には以下の3つの通貨ペアを押さえておきましょう。

  • 南アフリカランド/円
  • トルコリラ/円
  • メキシコ・ペソ/円

これら3つの通貨ペアはスワップポイント狙いの通貨ペアの代表格です。

これらの通貨ペアおすすめする理由やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

南アフリカランド/円

南アフリカは金やダイヤモンド、プラチナなどの地下資源が豊富な資源大国です。

また海外からの投資も盛んなので、今後はさらに成長する可能性が高いと言われています。

南アフリカは海外からの投資を呼び込むために高金利政策を維持しており、そのためスワップポイントも高くなっています。

2023年5月現在、業者によっては月間5,000円以上のスワップポイントを付与しているところもあれば、2,000円以下の業者も存在するので、スワップポイント狙いで投資する場合は業者の選択も非常に重要です

トルコリラ/円

トルコリラも高金利通貨の代表格です。

以前からスワップポイント狙いの高金利通貨として投資家から人気の通貨でした。

しかし政策金利が非常に高い反面、トルコはインフレが続いているため、通貨の価値は大幅に下落しているという点には注意が必要です。

スワップポイント狙いで長期投資をする人は、スワップポイントだけでなく、値動きにも十分注意して投資を行いましょう。

メキシコ・ペソ/円

メキシコは銀などの鉱物資源に加えて、石油や天然ガスなどの資源も豊富です。

そのため資源国通貨という位置付けであり、資源価格によってメキシコ・ペソも大きな影響を受けます

以下のように原油価格とメキシコ・ペソには大きな相関関係があります。

明らかに資源価格を示すWIT原油先物価格とメキシコ・ペソの価値が連動していることが分かります。

またアメリカと隣国であることから、アメリカとの関係も重要であり、アメリカとの関係が良好であればメキシコ経済も安定的に推移すると言われています。

メキシコペソも業者によってスワップポイントが大きく異なり、2023年5月時点で高い業者は8,000円を超えますが、安い業者は4,000円を切っています。

スワップポイントを狙ってメキシコペソへ投資する場合にも、慎重に業者を選定しなければなりません。

スワップポイント狙いの運用を成功させる4つのポイント

スワップポイント狙いの運用を成功させるためには、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。

  • スプレッドが狭い通貨ペアと業者を選択する
  • レバレッジを高くしすぎない
  • 複数の通貨ペアに分散投資をする
  • 証拠金維持率300%程度を維持する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

スプレッドが狭い通貨ペアと業者を選択する

スワップ運用をする場合も、通常のFX取引と同様にスプレッド狭い通貨ペアを狙いましょう。

日本のFX業者は海外FX業者と比較してスプレッドが狭い傾向がありますが、日本の業者の方がスワップポイントが少ないケースも多いので、スプレッドとスワップポイントを比較して自分にとってベストな業者を選択しましょう。

レバレッジを高くしすぎない

スワップポイントで運用をする場合には、レバレッジを高くしすぎないも重要です。

スワップポイント目的での運用は、ポジションを保有したまま長期間放置するスタイルが基本です。

長期間保有では、急激に相場が変動して気づいた時にはロスカットせざるを得ないケースも考えられます。

そのため、レバレッジを高くすぎずに、証拠金維持率に余裕を持って運用するようにしましょう

複数の通貨ペアに分散投資をする

同一の通貨ペアだけに集中して投資をするのではなく、複数の通貨ペアに分散投資することも重要です。

1つの通貨ペアだけに投資をした場合、当該通貨が暴落した際に大きな損失を負ってしまいます。

しかし複数の通貨ペアに分散して投資しておけば、どれか1つの通貨ペアが暴落したとしても、他の通貨ペアが台無しにはなりません。

リスク分散のために、複数の通貨ペアへ分散投資をおすすめします

証拠金維持率300%程度を維持する

証拠金維持率は300%程度を維持することを心がけましょう。

なぜならスワップポイント運用は長期間ポジションを持ち続ける投資であり、新興国通貨へ投資するケースが多いためです。

新興国通貨は値動きが激しく暴落するリスクが高、長期間保有する中では相場が急変する可能性もあります

一般的には証拠金維持率は200%以上と言われていますが、長期保有のスワップ運用をする場合は急激な暴落によってロスカットせざるを得ないことにならないよう、証拠金維持率は300%以上を目安に運用しましょう。

スワップポイントについてよくある質問

スワップポイントについてよくある質問をご紹介します。

政策金利とスワップポイントは関係していますか?

政策金利とスワップポイントは密接に関係しています。

スワップポイントは各国の政策金利に連動する金利ですので、政策金利が上がればスワップポイントは大きくなり、逆に政策金利が下がればスワップポイントは下がります。

そのため、高金利政策を導入している国の通貨ペアはスワップポイントが高くなり、日本のようにゼロ金利政策やマイナス金利政策を導入している国はスワップポイントがゼロもしくはマイナスになります。

土日のスワップポイントはいつ入金になりますか?

土日はスワップポイントは金融機関が休日になるので支払われません。

しかし、土日の分は翌週の平日にまとめて土日の分が支払われるのが一般的です。

ただし、休日におけるスワップポイントの受け渡しのルールは業者によって異なるため、詳しくは口座を開設しているFX業者確認しましょう。

スワップポイントに確定申告は必要ですか?

スワップポイントを受け取ったら確定申告が必要です。

スワップポイント為替差益などFXで受け取った利益は「雑所得」に分類されます。

FXには株式や投資信託における特定口座のような源泉徴収制度がないので、自分で確定申告を行って税金を支払わなければなりません。

スワップポイントを受け取ったら、確定申告をすることを忘れないようにしましょう。

まとめ

スワップポイントとは2国間における金利差であり、ポジションを保有してオーバーナイトするたびに毎日受け取ることができます。

日本円で預金を預けることとは比べものにならないほど高い利回りを得られるので、長期間ポジションを保有すればスワップポイントだけで大きな利益を獲得できる可能性もあります。

しかし、スワップポイントは通貨ペアによってはマイナスになり、スワップポイントが高い通貨ペアほど価格変動リスクは大きくなります。

また長期保有を前提として運用であるため、突然の暴落によってロスカットになってしまうリスクにも備えなければなりません。

スワップポイント運用をする場合には、複数の通貨ペアに分散投資をするとともに、レバレッジを高くしすぎることなく、証拠金維持率を300%以上にすることを意識しましょう。

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ABOUT US
Tatsuya Tsukada
1988年、山梨県生まれ。株式会社JOE代表取締役。 僕は資産運用のプロです。メルマガの読者は1万5000人を越え、現在はトレードをする傍ら、複数の会社を経営しています。 2012年よりブログを開始。トレードスクールの運営を行い3000名を越える受講生がいます。また24fitnessサイボディの創業者として経営に携わっています。