XAUUSDとは金のレートを示す数値です。
XAUUSDは値動きが大きいので、短期間で非常に大きな利益を狙えます。
しかし「XAUUSDってなに?」「XAUUSDはどうやって取引するの?」「XAUUSDとGOLDとの違いは?」と、XAUUSDに疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、XAUUSDの特徴やメリット、注意点を解説しますので、ぜひご覧ください。
目次
XAUUSD(ゴールド)とは?3つの特徴を解説
XAUUSD(ゴールド)とは、金の為替レートです。
例えば、「XAUUSD=1789.0」 の場合には、金1トロイオンスあたり1789.0米ドルを示します。
なお、1トロイオンスとは金などの貴金属の重さを示す国際的な単位であり、1トロイオンス=31.1035グラムです。
日本では金の1グラム単位の価格が表示される場合が多いですが、投資の世界では国際的な単位である1トロイオンスあたりの価格が示されます。
また、XAUUSDは1トロイオンス(oz)あたりの米ドル価格を示すレートであり、基本的にCFDの投資で使われます。
CFDとは、株式やコモディティ(商品)などの投資対象に対して行う差金決済取引です。
証拠金を元手に金などの商品の売買を行い、発生した損益だけが口座へ反映されます。
FXと同じように、証拠金の何倍もの取引を行えるレバレッジを利用することもできます。
XAUUSDには、以下の3つの特徴があります。
- 価格が大きく動きやすい
- 長期的な上昇トレンドにある
- 有事の時ほど価値は高まる
XAUUSDとGOLDとの違いも含めて、まずはXAUUSDの特徴について詳しく解説します。
価格が大きく動きやすい
XAUUSDは、価格の変動が非常に激しい特徴があります。
FXで投資するメジャー通貨の通貨ペアは1日に100pips動けば値動きが大きい方です。
しかし、XAUUSDは1日で1,000pips以上の動きをすることも珍しくなく、短期間で値動きが非常に激しい特徴があります。
そのため、スキャルピングなどで大きな利益を狙うことが可能です。
また、長期で見ても値動きは大きいと言えます。
実際に直近の動きとここ数年の長期の動きを見ていきましょう。
2023年1月から2023年5月までの動き
出典:tradingview
2023年は1月から上昇を続け、年初は1,820ドル程度でしたが、月末には1,950ドルへと約7%上昇します。
しかし2月に入ると大幅に下落し、月初に1950ドル程度だったものが、1810ドル程度と約7%下落します。
その後は大きく上昇し、5月頭には2050ドル近くまで上昇、2ヶ月程度で実に13%も上昇しました。
このように、XAUUSDはたったの半年間で大きく値動きがあることが分かります。
XAUUSDの長期の動き
次に2018年からの長期の動きを見ていきましょう。
出典:tradingview
2018年から2019年までで、XAUUSDは1,200ドルから1,300ドル前後を推移しています。
しかし2019年7月くらいから上昇をはじめ、2020年8月には2,000ドルを突破しました。
つまり、たったの1年で70%近くも上昇したのです。
為替などの市場ではほとんどあり得ない上昇ですので、XAUUSDの値動きがいかに激しいかご理解いただけたのではないでしょうか?
長期的な上昇トレンドにある
XAUUSDは上昇トレンドを解説しましたが、この5年で70%程度上昇しているように、長期的な上昇トレンドにあります。
短期的には大きな値動きによって損失が生じる可能性がありますが、長期間保有すれば、大きな利益に繋げられる可能性があるでしょう。
また、この5年間はコロナ禍やウクライナ侵攻など、株価が下がる出来事が多くありましたが、その中においてもXAUUSDは継続して上昇しています。
株価が下がるようなタイミングでもXAUUSDは上昇が期待できる投資対象であるため、長期投資に向いています。
有事の時ほど価値は高まる
金は有事の時ほど価値が高まるため、「有事の金」と言われます。
有事とは戦争や治安の悪化、災害などを指します。
実際にここ数年はウクライナ侵攻という戦争などの国際的に大きな有事がありながらも上昇を続けています。
世界の情勢は混沌としており、今後も様々な有事が起こる可能性が指摘されていますが、このような時だからこそ安定資産である金は価格が上昇する可能性があるといえます。
XAUUSDとGOLD(金)の違い
XAUUSDは主にCFDで利用されるレートですが、GOLDは金の現物を取引する投資です。
また、GOLDには以下の3つの投資手法があります。
- 現物取引
- 先物取引
- ETF
現物取引であるGOLDには、様々な投資手法があります。
そこでGOLDの3つの投資手法とCFDとの違いを詳しく解説してます。
現物取引
貴金属販売店から金の現物を購入し、金の価格が上昇したタイミングで売却する方法です。
実際に金の延べ棒や金のプレートなどの現物へ投資するため、保管にも十分注意しなければなりません。
なお現物で投資する際には、日本円で1グラム〇〇円と値段が表示されるのでXAUUSDは使用されません。
先物取引
先に金の売買価格を決定し、後から当初決めた価格で金の現物を取引する方法です。
例えば金9,700円/gで先物買いをすれば、将来金を9,700円/gで購入できます。
この時に金が9,700円より上昇していれば、利益が生まれます。
先物取引はCFDと同じように期日前に売買を完結させられるので、差金決済できますが、期日になったら現物取引が発生する点ではCFDと異なります
ETF
ETFとは、XAUUSDの価格に連動することを目指して運用する上場投資信託です。
あくまでもXAUUSDに連動するよう運用するというだけですので、XAUUSDの価格とは別であり、日本円で「〇〇万円」のように表示されます。
金の現物を売買することはない点ではCFDと同じですが、CFDのようにレバレッジをかけることはできません。
XAUUSD(ゴールド)の必要証拠金の計算方法
XAUUSDの必要証拠金は、以下の計算式で算出します。
必要証拠金=取引ロット数×1ロットあたりの取引量×最新価格÷レバレッジの倍率
例えば取引ロット数1、1ロットあたりの取引量100オンス、最新価格2,000ドル、レバレッジ100倍の証拠金は以下のようになります。
1×100オンス×2,000ドル÷100=2,000ドル
なお、1ロットあたりの取引量は業者によって異なるので注意してください。
XAUUSD(ゴールド)を取引するメリット
XAUUSDの取引には、以下の5つのメリットがあります。
- CFDの中ではハイレバレッジで取引できる
- ゼロカットシステムによって証拠金以上の損失を負わない
- ボラティリティが高い
- 市場や相場の情報を得やすい
- 24時間取引できる
CFDの中では比較的取引をしやすい上に、ハイリターンを狙える点が大きな特徴です。
5つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
CFDの中ではハイレバレッジで取引できる
XAUUSDはCFDの中では高いレバレッジで取引できる商品です。
レバレッジは業者ごとに決められているので一概には言えませんが、一般的にCFDのレバレッジはFXよりも低く設定されています。
しかしXAUUSDはFXよりも高く設定されている場合が多く、高いところでは500倍〜1,000倍ものハイレバレッジで取引できます。
ゼロカットシステムによって証拠金以上の損失を負わない
海外のFX業者で取引をする場合、ほとんどの会社がゼロカットシステムを採用しているため、証拠金を超える損失を負うリスクはありません。
ゼロカットシステムとは、相場に急な変化がありロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになっても、マイナス分の損失がゼロになる便利な仕組みです。
XAUUSDは短期間の値動きが非常に激しいため、損失が証拠金を超えることは珍しくありませんが、ゼロカットシステムがあれば追加証拠金を請求される心配はありません。
なお、日本の法律ではFX業者などが顧客の損失補填をすることは禁じられています。
そのため、日本の業者で取引する場合にはゼロカットシステムはないので注意しましょう。
ボラティリティが高い
XAUUSDはボラティリティ(価格変動の度合い)が高い点もメリットです。
短期間での値動きが非常に大きいので、スキャルピングやデイトレードでも大きな利益を狙える可能性があります。
市場や相場の情報を得やすい
XAUUSDは様々なCFDにおける様々な投資対象の中でも、市場や相場の情報を得やすい商品です。
政治や経済のニュースでも、金の価格について報道される様子を一度は見たことがあるのではないでしょうか?
投資初心者の方にとっては、情報を得やすい投資対象である点もメリットといえます。
24時間取引できる
CDFは、平日であれば24時間取引できます。
株式は平日の15時までしか取引できないので、会社員にとっては投資が難しいですが、CFDならばライフスタイルに合わせてリアルタイムに投資できます。
また深夜などのタイミングで、急にXAUUSDの価格に大きな変動をもたらすような有事があっても、24時間取引できるのですぐに対応できる点もメリットです。
XAUUSD(ゴールド)を取引する際の注意点
XAUUSDを取引する際には、以下の4つの点に注意しなければなりません。
- できる限り当日中に決済する
- 早朝にスプレッドが拡大することがある
- レバレッジをかけ過ぎない
- ロングの取引はスワップポイントの支払いが発生する
基本的にFXなどよりもリスクが大きいので、取引のタイミングやレバレッジに注意するとともにポジションにも注意しましょう。
XAUUSDの4つのデメリットについて詳しく解説していきます。
できる限り当日中に決済する
XAUUSDは価格変動が激しいので、寝ている間など市場に目が届かないタイミングでポジションを保有すべきではありません。
深夜に急な変動があって、翌朝ロスカットされているような可能性は十分考えられます。
長期投資目的でポジションを保有する場合以外には、基本的に当日中に決済を行って翌日にポジションを持ち越さないようにしましょう。
早朝にスプレッドが拡大することがある
FXでも同じですが、XAUUSDも早朝は市場参加者が少ないのでスプレッドが広がる傾向があります。
そのため、早朝にスキャルピングやデイトレードをしても、スプレッドが広すぎて利益を出しにくくなります。
ライフサイクル的に早朝しか取引ができないという方は、できる限りスプレッドが低い業者を選択するようにしてください。
レバレッジをかけ過ぎない
レバレッジをかけすぎない点も重要です。
XAUUSDは値動きが激しいため、レバレッジをかけすぎることによって大きな損をしたり、一瞬にして証拠金を失ってしまったりするリスクがあります。
証拠金維持率には余裕を持って、レバレッジをかけすぎず、ポジションを持ちすぎないことが重要です。
ロングの取引はスワップポイントの支払いが発生する
FXと同様にXAUUSDにおいても、ロング(売り)ポジションを保有する場合には、毎日スワップポイントの支払いが発生します。
XAUUSDはロングポジションにおけるスワップポイントが大きく、日をまたぐごとに10ポイント以上の支払いが必要になることも珍しくありません。
ロングポジションでスイングトレードや長期投資を行う場合には、スワップポイントの支払いにも注意してください。
まとめ
XAUUSDは金の1トロイオンス(oz)あたりの米ドル価格を表すレートで、主にCFDの取引で使われます。
XAUUSDはボラティリティが高いので短時間でも大きな利益を狙うことができ、長期的にも上昇トレンドにあります。
短期でも長期でも大きな利益を狙える可能性が高い投資対象ですので、差金決済で大きな利益を獲得したい方はXAUUSDへの投資がおすすめです。