こんにちは、塚田です。
前週の週末から、日米共に、株式相場が大幅に下落し、メディアでも話題になっており、今日もオープンから、日本株が売り込まれています。
以前の記事でバブルが弾けるタイミングについて書きましたので、そちらも参考にしてください。
金融恐慌は起こるのか?バブルが弾ける仕組み。
人は問題が起こるまで、問題を認知できない
「リーマンショック」などの、〇〇ショックと呼ばれる、危機などに総じて言えることは「問題が起こるまでは、問題を認知できない」ということがあります。
バブル崩壊で有名な話と言えば17世紀のオランダで起きた「チューリップバブル」が有名ですよね。
チューリップバブルでは、球根が値上がりしている時には、誰も「球根の価値が値下がりする」とは思わなかった訳ですね。
そもそも、球根一つで家一軒と同じ価値であることに違和感を感じないというのも不思議な話ですが、熱狂的になると周りが見えなくなってしまうんですね。
そして、過去のバブル相場とバブルの崩壊は全て同じパターンで起きています。
同じパターンで何度も起きているのに、しばらくすると、必ずバブルが起こります。
これはなぜかというと、人は時間が経つと忘れてしまうからです。人は歴史に学ばず、経験で考えるからです。
現在は株式バブルなのか?
では、今の状況に「株式バブル」を当てはめて考えるとどうなるか?
今の株式相場で起きている状況を考えると、米国のAI株を起点にしておきたバブルであることは間違いありませんが、それが熱狂的かというと、そこまででは無いと思います。
国内株も同様で、NISAは激推ししてはいるものの、誰もが絶対に株を買いたい、買わないと損をするというレベルではありませんから、熱狂具合は比較的小さめです。
しかし、今後起こるであろう、リセッション局面については、単なる株式相場の崩壊だけの話ではありません。
それは、株式相場だけではなく、通貨バブルの崩壊です。
つまりはドルの崩壊、ひいては他の通貨も同時に通貨価値が減少する「通貨ショック」が同時に起こると考えられるからです。
今までの株式相場のバブル崩壊というのは、一度崩壊した後も、時間が経てばある程度戻ります。
それは、株式相場の暴落後も、時間が経てば、痛みを忘れていきますし、株価が下がり続ければ、値ごろ感が出てくるからです。
底値で買い集めて儲けようという人が増えてくれば、バブル崩壊の下落は止まります。
通貨ショック
しかし、今後起こるであろう通貨ショックの場合は、貨幣経済が一新される可能性が高く、今までとは違ったものになります。
ドルは長年基軸通貨として信頼されてきましたが、「ドルの価値がゴミになる」と聞いて、どれだけの人がそれを信じることができるでしょうか?
本当にバブルなのは、株式ではなく、米ドルであり法定通貨です。
米ドルは、世界中で安全資産として買い集められきましたし、様々な貿易決済で使われています。
しかし、これもまた、輪転機を回せば、際限なく印刷できる紙切れであるにも関わらず、ここまでドルを信用することは、おかしな話であるはずです。
皆が、「ドルの価値が無価値になることはない、ドルでもっておけば安心」という認知があるので、強いドルが維持されています。
しかし、ペトロダラー体制も終わり、グローバルサウスでは脱ドル化に舵を切っています。
また、トランプ前大統領は「米国内の製造業の為に弱いドルを望んでおり、最近はビットコインを戦略的に備蓄する」ということを検討しているという話もしています。
米ドルを発行する米国自ら、ドル安の方向に舵を切っている訳ですから、もはやドルの崩壊は止められません。
そして、ドルが崩れた時には大きなショックとなりますし、しかもそれは、基軸通貨である米ドルなのでショックは非常に大きいものになります。
その通貨ショックの際に、どこに資産が向かうのか、本当に価値がある、本物のお金とは何か?といえば、それは、金や銀などの貴金属。
そして、土地や不動産、農作物などのコモディティになる訳です。これからは実態のあるものに資金が向かいます。(不動産はショック時の初期には売られますが、ショック回復期には変われます)
これを知らずに、「何も起こらない」「みんなNISAやっているしやっておこう」と考えるのは、危機を認知できていない証拠です。
起こった時には、備えている者が、富を掴み、備えていない者は、困窮することになります。
あり得ないと思ったことが突然起きた時にでも対応できるように備えておきたいものですね。